オーストラリアは日本からも行きやすく、旅行や移住者にとって大変人気の国として有名ですよね。
そんな魅力多きオーストラリアですが、一つだけ大きな問題があります。
それが、「就労ビザ取得の壁が高すぎること」
ワーホリや留学などの限られた期間内の滞在は比較的簡単なのに、長期で移住すると言う時点でビザ申請の難しさに直面することになります。
ではビザ申請の何が問題で、なぜ難しいと言われるのでしょうか?
いつかオーストラリアに住みたいと思ってる方へ、知っておいてほしいリアルなビザ事情を解説したいと思います。
オーストラリアに住むのがなぜ難しいの?
僕は過去にオーストラリアに住んだ経験があるとは言え、あくまでワーホリで滞在してただけの話です。
なので犯罪歴がある人や年齢の条件を超えている人(31歳未満)とかじゃない限り、誰でも申請することができます。
あくまで今回お話しする内容は、『移住=永住権の前の就労ビザ(ワークビザ)取得』に関してです。
では就労ビザの何が難しいのかと言うと、
”スポンサー+英語力+専門スキル”が絶対に必須だからです。
多分これだけでは分かりにくいと思うので、それぞれまとめてみました。
【必須項目①】スポンサーとは?
スポンサーになってもらうには、企業側から「あなたはうちの会社に必要な人材です」という人にならなければなりません。
要は、あなたが〇〇で働きたいという趣旨と企業側が求める人材が合致した場合に、企業側が労働者のスポンサーとなって長期滞在ビザ申請のサポートをしてあげるという制度になります。
これだけを聞いたら簡単な話のように聞こえるかもしれないですが、このようなスポンサー企業を見つけるのがとにかく大変なのです。
労働者が培ってきた知識や技術がその企業にどれだけ貢献できるかがカギになり、それなりに地位の高い専門職の経験年数や特化した知識がないとスポンサーになってくれることはありません。
しかもスポンサーになる場合には、雇用する企業側の業績(売上)や雇用される人材の最低保証給料の金額まで決められています。
その基準がかなり高い設定になっているし、毎年その基準値が変更されているので、それだけのコストを背負ってまで日本人を雇う理由があるのかを証明しなければいけないんですね。
就労ビザ申請は申請者に大きな負担をかけるのはもちろんなのですが、それ以上に企業側もそれだけのリスクを抱えることになるので、慎重になってしまうのも仕方がないことなのです。
【必須項目②】英語力とは?
就労ビザ申請の際には、オーストラリアで規定されている英語の基準値を必ず達成しておく必要があります。
日本ではTOEICが基準になっていますが、オーストラリアは「IELTS」というもので、ビザ申請の最低基準値が「IELTS6.0」です。
【IELTS6.0とは?】
- TOEIC740~820
- 英検準一級
更にIELTSテストの特徴として、日本人が苦手とするリスニングやスピーキングの割合が多く、より実践的な英会話力が試される試験になります。
しかも職種によってはIELTS6.0以上を求められるケースもあるので、TOEICだと最低800点以上は無いと申請すらできません。
一般的にこのレベルにまで達するのはネイティブでも難しいと言われているので、どれほど難しいかがこの数値を見ただけで明確に分かるのではないでしょうか。
【必須項目③】専門スキルとは?
専門スキルとは、オーストラリア政府が指定する職に所属している人材のことを言います。
- 医師
- 歯科医師
- 看護師
- 弁護士
- 会計士
- 美容師
- 調理師
などの専門的な分野の知識や技術があることが最低条件であり、オーストラリアにとって有益な人材を優先して就労ビザを発行しています。
ただし、必ずしもこの資格を保有していればビザの申請ができるという訳では無く、上記2つの条件をクリアしていることと、申請者自身の職種や年齢などを合わせたポイント制で判断されます。
職種によってポイントもビザの種類も変わる
更にスポンサーになる企業は、弁護士を雇って様々な証明をする必要があり、しかもその負担は全て企業側が行うことになり、一人の申請費用だけに80~150万円程度もかかってしまうのです。
では最後にまとめると、ビザ申請者は技術と英語力があれば申請はできるが、何よりもスポンサー企業のお金や時間の負担が大きすぎて、申請に到るまでの経緯がとにかく大変だということ。
そこまでしてでも、その人に働いてもらいたいと思わせるほどの能力がないと、まずスポンサーにすらなってもらえないので、就労ビザ申請にまで達する人は本当にごく僅かな人だけの話なんですね。
オーストラリアで就職する具体的なプラン
ではオーストラリアで就労ビザを獲得するのは絶対に無理かと言うと、実はそういう訳ではなく、ハードルが高くても一定の条件を満たせば不可能ではありません。
オーストラリア移住を果たす条件をまとめてみました。
現地の専門学校に通い資格取得→就労ビザ申請
現地の大学に通い専門分野を卒業→就労ビザ申請
日本で専門職を経験→IELTS6.0取得→就労ビザ申請
この3つのうちのどれかの条件を満たす事ができ、お金と長い道のりの問題さえ解決できるのであれば、可能性は十分にあります。
学生は週20時間まで就労可能
このプランがなぜオススメかと言うと、日本の大学や専門学校を卒業するよりも、オーストラリアなどの英語圏の学校で取得した資格や経験値の方が世界で通用する証明になるからです。
オーストラリア国内の学校を卒業した人材というだけで、高待遇&高所得の職に就ける可能性が一気に高くなり、ビザの獲得はもちろん、安定した生活を送ることにも繋がります。
なので基本的に、オーストラリアで就職または永住を目指す人は、大学や専門学校に通って専門分野を勉強するようにしてください。
むしろそれ以外の方法は、かなり有能な人材(ハイスキル+ハイレベルの英語力保有者)やお金持ちじゃ無い限り、現実的ではないということを覚えておきましょう。
最後にまとめると、
①日本で最低限の英語力を習得
②日本にいる間にお金を貯める
③オーストラリアの専門や大学に通う
④専門的な分野の勉強をする
⑤現地で就職活動
⑥現地企業にビザサポート
⑦就労ビザ獲得
このプランが最も成功しやすい具体的なプランです。
また、オーストラリア政府が留学生の為に提供している奨学金制度は返済義務が無く、最大50%近く免除されるので、条件さえ満たせば日本よりもお得に通うことだってできます。
オーストラリアは物価も高いですが、その分の給料も高いので、高い学費を払っても十分元が取れます。
詳しく知りたい方は下記のリンクを参考にされてみてくださいね。
オーストラリアの仕事の探し方&求人サイト
オーストラリア就職(就労ビザ獲得)を目指す方
オーストラリア就職を目指す方は、英語のサイトでローカル企業就職を目指すか、現地にある日系企業に就職するパターンのどちらかになります。
大学に通って卒業した方であれば学校に通っている間に就職活動をするので、ちゃんと仕事先を見つけることができるとは思いますが、もし日本からの現地就職を目指す方は話が変わってきます。
まずは働きやすくビザも下りやすい日系企業に就職することを目指し、永住権獲得後に希望の企業に転職、または就職するのが最も確実なプランです。
ただし、最低雇用期間や永住権獲得までにはある程度の期間を要するので、それなりの覚悟と準備が何よりも大切になってきます。
【オススメの海外向け求人サイト】
ワーホリ・留学生向け
日本人が管理しているオーストラリア在住の日本人向けコミュニティサイトの紹介です。
これらのサイトは、主に就職というよりも学生やワーホリ向けに掲載しているサイトなので、飲食店のホールスタッフなどの簡単な求人が載っています。
ただしその中でも専門職(美容師・調理師)などの求人もあり、条件を満たせばビザサポートをしてくれる可能性も十分にあるので、就職を目指す方は定期的に確認しておきましょう。
日本にいる間に最低限の英語を習得しておこう
正直、オーストラリア移住はかなり難しいことは間違いありません。
でもある意味その条件さえ満たせば不可能ではないのも事実であり、その条件とは先ほど説明してきたような、お金の用意や計画性を持って行動する必要があるということ。
その為にも、まず日本人が手をつけなければならないのが英語です。
留学、ワーホリ、海外就職全てに言えることは、とにかく英語力がないと先に進むことすらできません。
僕自身も美容師として海外に渡ったものの、スキルはあっても英語力が無いだけで様々なチャンスを逃してしまいました。
それだけ英語力があるか無いかは人とのコミュニケーションだけでなく、仕事や生活にも大きく影響します。
だからこそ日本にいる間に真剣に英語学習に取り組むのは必須です。
今は様々な学習ツールがあるので、正直どれが自分に合ってるかは分かりませんが、とにかく気になった学習法があったらとりあえず試してみましょう。
また英語に関しては筋トレと一緒で日々の積み重ねが何よりも大切なので、毎日できる限りの英語に触れる時間を作って、英語と向き合うようにしてくださいね。
では今回も読んで頂きありがとうございます。
僕は約3年半ほどワーホリを使って海外に住んでいた経験があり、その間は現地のローカル企業でずっと働いていました。 これを聞いてもあまりピンと来ない人もいるとは思いますが、いわゆる一般的な日本人で現地企業で働ける人とい[…]